談合

 全国市民オンブズマン連絡会議は、犯罪であり、巨大な税金の無駄遣いである「談合問題」を追及してきました。

 談合が発覚した自治体発注の公共工事に対し、全国一斉に住民訴訟を起こし、多額の税金を自治体に返却させました。
 また、落札率(落札額÷予定価格)を全国一斉調査し、談合を許さない入札制度を取り入れている自治体を間接的に応援しています。
 全国市民オンブズマン連絡会議では、過去の談合訴訟や、公正取引委員会の審判、さらに全国落札率調査をふまえ、落札率95%以上を「談合の疑いがきわめて強い」、落札率90%以上を「談合の疑いがある」としています。 全国調査の結果を見ると、真の競争入札(一般競争入札)が行われると落札率が80%台以下になると考えています。
路面清掃業務委託の入札の改善を!

18/9/1-2に開催する第25回全国市民オンブズマン新潟大会で、三重の村田正人弁護士は「路面清掃業務委託の入札の改善を!」の発表を行いました。

・路面清掃業務委託の入札の改善を! 弁護士 村田正人(三重)
 https://www.ombudsman.jp/dangou/mieseisou.pdf

2016年度落札率・談合疑惑度調査

2016年度自治体落札率調査発表(17/9/1)

全国市民オンブズマン連絡会議は、17/9/2(土)3(日)に和歌山市で開催する第24回全国市民オンブズマン和歌山大会で落札率調査を発表しました。
 2016年度自治体入札分析(32枚)
 http://www.ombudsman.jp/dangou/dangou2017.pdf

談合追及の為の用語の説明

談合疑惑度

全国市民オンブズマン連絡会議では、過去の談合訴訟や、公正取引委員会の審判、さらに全国落札率調査をふまえ、
落札率95%以上を「談合の疑いがきわめて強い」、落札率90%以上を「談合の疑いがある」としています。
全国調査の結果を見ると、真の競争入札(一般競争入札)が行われると落札率が80%台以下になると考えています。

自由競争で落札率が80%台になる根拠

  • 日本弁護士連合会「入札制度改革に関する提言と入札実態調査報告書」(2001年2月)
    刑事記録に見る談合による落札率高騰のメカ・jズム『談合すると落札率98%、99%、自由競争をすると落札率は75%、80%になる。』

  • 日本弁護士連合会「入札制度改革に関する調査報告書」2003年7月
    長野県は、入札制度改革前の平均落札率が96.4%であったのが改革後は75.5%となり、20%以上急落した。宮城県は、改革前の平均落札率が95%であったのが改革後は79.5%となり、15%以上急落した。その主な原因は、指名競争入札から制限付一般競争入札への制度改革である。この結果から、100社以上の業者が入札に参加が可能になると、談合は困難になって、15%ないし20%程度落札率が下がると推定される。

  • 全国落札率調査(全国市民オンブズマン連絡会議 調べ)
    2004年度 一般競争入札を導入している宮城県・長野県の平均落札率が、それぞれ78.6% 83.1%。

  • 公正取引委員会委員長 竹島一彦氏の国会発言(平成十八年二月二十二日 第164回国会 予算委員会 第17号
    ○竹島政府特別補佐人 過去の公正取引委員会が取り上げました談合、それからカルテルの事件を数十件調査いたしまして、我々が立ち入りをした前と後で落札価格がどういうふうに変わったか、すなわち落札率がどのように変わったか、談合をやめてからどのぐらい下がったか調べました。
     そのうち、談合については、一八・六%という推計が出てまいりました。ただ、これは単純平均値でございまして、数%のものから四〇%ぐらいまでという非常に幅がございますが、単純平均で一八・六%ということでございます。

入札制度改革

地方自治法234条では、誰でも入札できる「一般競争入札」が原則となっていますが、実際は自治体が入札業者を
指名する「指名競争入札」が大部分を占めてきました。指名競争入札では、どの業者が入札に参加するのかが
お互い分かるので、入札業者や入札価格を「談合」で決め、結果的に価格の高い工事になってしまっていました。
談合を防止する為に、「一般競争入札」をほとんどの工事で導入することを市民オンブズマンは求めています。
「誰でも参加でき」「誰が参加しているか分からな・「」入札制度では、談合をすることは事実上困難になります。

2015年度落札率・談合疑惑度調査

2015年度自治体落札率調査発表(16/9/23)

全国市民オンブズマン連絡会議は、16/9/24(土)25(日)に高松市で開催する第23回全国市民オンブズマン香川大会で落札率調査を発表しました。 ・2015年度自治体入札分析【概要】(3枚)
 http://www.ombudsman.jp/dangou/dangou2016-1.pdf
 2015年度自治体入札分析(27枚)
 http://www.ombudsman.jp/dangou/dangou2016-2.pdf

その他談合判決
  • 湯布院町防災無線設備工事入札談合 2審は勝訴額減額 08/6/19
    旧湯布院町が発注した防災無線設備工事に関して贈収賄事件で業者が有罪と
    なったものの、談合罪では立件されなかった件につき返還を求める住民訴訟で、
    福岡高裁は平成20年6月19日付で、1審4,490万円(落札額の17.5%)の
    損害賠償額を変更し、1,278万5,714円(同5%)に減額しました。
    http://www.ombudsman.jp/dangou/080619.pdf

    (1審記事)
    旧湯布院町が発注した防災無線設備工事に関して贈収賄事件で業者が有罪と
    なったものの、談合罪では立件されなかった件につき返還を求める住民訴訟で、
    大分地裁は平成18年12月21日付で原告勝訴の判決を言い渡しました。
    http://www.ombudsman.jp/data/061221.pdf
    当該刑事裁判にかかる証言記録から談合が認定され、落札率97.56%-
    談合がなかった場合の推定落札率80%=損害率17.56%とし、
    損害額4490万円としたものです。補助参加人の沖電気は判決を不服とし控訴しました。一方、由布市側は控訴せず、福岡高裁の判断を見守る方針です。

  • “恩賞”随意契約は違法 太田市長に賠償命令 08/7/2
    群馬県太田市が「優良工事表彰」をした業者に“恩賞”として随意契約の
    権利を与えていた制度は違法として、市民オンブズマン群馬のメンバーが
    太田市長らに随意契約57件分の総額約4億6600万円を賠償するよう求めていた
    住民訴訟の判決が08/7/2に前橋地裁であり、「恩賞制度に基づく随意契約の
    締結は、合理的な裁量判断を逸脱し違法」とし、清水市長に約1300万円の
    支払いを命じました。
    http://www.ombudsman.jp/dangou/080702.pdf

    判決は、“恩賞”随意契約は違法とした上で、「賠償額は契約額の
    3%が相当」と判断しました。

  • 08/10/15 奈良市くじ引き談合事件 6232万円返還命令 奈良地裁
    奈良県市民オンブズマンが訴えていた「奈良市くじ引き談合事件」の
    住民訴訟で、奈良地裁は、08/10/15づけで奈良市の土木工事、
    建築工事等に関する制限付き一般競争入札31件について談合を
    認め、31件の契約額の総額354,910,500円の約17.67%にあたる
    合計62,322,250円を奈良市の損害と認定し、奈良市長に
    対し各落札業者に各損害額を請求するよう命じました。
    http://www.ombudsman.jp/dangou/081015.pdf

  • 奈良市くじ引き談合事件 2審も勝訴
    奈良県市民オンブズマンが訴えていた「奈良市くじ引き談合事件」の
    住民訴訟で、大阪高裁は09/4/17づけで市側の控訴を棄却し、
    市民側が勝訴しました。
    http://www.ombudsman.jp/dangou/090417.pdf
    →09/8/28づけで上告棄却。大阪高裁判決が確定
  • 08/11/14 旧弘前市除雪業務委託 物証なしで談合認定 青森地裁
    旧弘前市が発注した除雪業務委託に談合があったとして
    弘前市民オンブズパーソンが約1億3700万円の
    賠償請求を求めないのは違法として提訴していた件で、
    青森地裁は08/11/14付けで一部請求を認め、少なくとも委託料の
    5%、約4870万円の返還を請求をしないのは違法としました。
    http://www.ombudsman.jp/data/081114.pdf

    →10/2/25 弘前市除雪入札談合 逆転敗訴 仙台高裁(確定) http://www.ombudsman.jp/dangou/100225.pdf
2014年度落札率・談合疑惑度調査
2013年度落札率・談合疑惑度調査
2012年度落札率・談合疑惑度調査
弁護士報酬が不当に安すぎる!訴訟

【重要】13/1/30 新地方自治法 住民訴訟弁護士報酬(1~3号請求)は算定可能 横浜地裁

新地方自治法(2002年改正)に基づく住民訴訟(1~3号請求)の
住民側弁護士報酬につき、「自治体の経済的利益」が
算定可能であるという判決が2013/1/30に横浜地裁で出されました。
弁護士会報酬規程に基づき、原告側代理人が請求した
400万円を認めました。

以下、代理人弁護士の大川隆司氏の解説です。
——————————-
住民訴訟の弁護士報酬に関するよい新判例を獲得しました。
ご承知のとおり20・o2年の地方自治法改正で、それまでは4号請求勝訴の
場合についてのみ認められていた住民側弁護士報酬(の自治体負担)が、
1~3号請求にも拡張されました。しかし、その場合の「自治体の経済的利益」は
算定不能であるという考え方が一般的にあり、(平成21年最判に対する
武田真一郎教授の評釈=判例評論614号6頁)、管見の限り、判例は存在
しませんでした。

今回の横浜地裁判決は、極めてアッサリしてはいますが「住民訴訟の特殊性を、
弁護士報酬算定の場合まで反映させる必要はない」というバックボーンに貫かれた
好判決なので、全国の仲間にお知らせしたい、と考えました。

なお、藤沢市は控訴しない模様です。

【重要】09/4/23 最高裁が、旧地方自治法242条に基づく住民訴訟の弁護士報酬は「算定不能ではない」との初判断示す

市民の立場から自治体の損害の回復を求める住民訴訟では、たとえ勝訴しても訴えた市民に直接お金が入ることはありませんが、市民側の弁護士は勝訴した場合、自治体に対して、弁護士報酬の支払を報酬額の範囲内で相当と認められる額請求することができます(地方自治法242条の2の12)。

名古屋市のごみ処理施設「新南陽工場」談合住民訴訟では、市民グループは談合による損害金の返還を業者に求めて9年半かけて最高裁で勝訴が確定し、利息を含めた12億4720万1661円が業者から名古屋市に返還されました。
市民グループ側の弁護士は、名古屋市に対して、経済的利益の額を返還金全額とし、日弁連の報酬基準規程を元にした約1億2400万円の報酬を請求しましたが、名古屋市側は「住民訴訟の経済的利益は算定不能であり800万円と見なされ、報酬は198万円と計算できる」と主張してきたため、今回裁判になりました。

市民の立場から自治体の損害について回復を求める住民訴訟は、これまで数々の成果を上げてきました。
複雑な訴訟が多く、10年近くかかる裁判もざらにあります。市民側弁護士が活躍しなければそれら勝訴はあり得ませんが、勝訴したにもかかわらず市民側弁護士に入る報酬が不当に安すぎるとしたならば、住民側の負担はあまりにも多く、だれも住民訴訟を起こすことができなくなってしまいますし、弁護士も受任しなくなってしまうおそれがあります。

この判決(07/9/29名古屋地裁判決)によって、住民訴訟がもっと活発なものとなることを願います。

ごみ焼却炉談合

ゴミ焼却炉談合 判決一覧(13/1/11現在)

  • 訴訟進行状況(13/1/11現在)(pdf)
  • 住民訴訟自体はすべて終結しました。

    地裁判決 13件(11勝2敗)

    高裁判決 13件(11勝2敗)

    最高裁判決 13件(11勝2敗)

    06/6/27公取「審決」以後の自治体の動き(09/7/31現在)

    06/6/27公取「審決」以後の自治体の動き一覧表(09/7/31現在)
    http://www.ombudsman.jp/dangou/gomijititai090731.pdf

    • 2007/1/15 一宮市が焼却炉談合で受注した業者に対し、約26億7700万円の損害賠償請求を行いました。
    • 2006/12/18 福知山市監査委員は、住民監査請求を棄却しました。07/1/15に住民訴訟を提訴しました
    • 2006/11/8 盛岡市監査委員が、盛岡市に対して損害賠償請求を勧告
    • 2006/9/19 尾三衛生組合が焼却炉談合で受注した業者に対し、契約額の9.7%にあたる約12億9500万円の損害賠償請求を行いました。
      損害賠償請求書(pdf)(住民監査請求後、損害賠償請求。住民監査請求は棄却)
    • 2006/9/1 海部地区環境事務組合が焼却炉談合で受注した業者に対し、契約額の9.8%にあたる約29億7800万円の損害賠償請求を行いました。
      損害賠償請求書(pdf)(住民監査請求後、損害賠償請求。住民監査請求は棄却)
    • 2006/8/7 名古屋市が焼却炉談合で受注した業者(2社)に対し、契約額の10%にあたる約44億7600万円の損害賠償請求を行いました。損害賠償請求書はこちら(pdf)(住民監査請求後、損害賠償請求。住民監査請求は棄却)
    • 2008/7/10 札幌市が焼却炉談合で受注した業者に対し、契約額の9.86%にあたる約46億円の損害賠償請求を行いました。
    • 2008/10/10 いわき市が焼却炉談合で受注した業者に対し、契約額の10.1%にあたる約22億8109万円の損害賠償請求を行いました。

    2007/3/27 公正取引委員会が、ごみ焼却炉について5社に合計270億円の課徴金納付命令を出しました。

    ごみ処理施設の製造施工業者に対する課徴金納付命令について 平成19年3月27日 公正取引委員会

    2006/6/27 公正取引委員会が、ごみ焼却炉談合について「審決」を出しました。

    日立造船株式会社ほか4名に対する審判審決について(地方公共団体発注のごみ処理施設の入札談合)