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警視庁万世橋署の警察官の職務質問は違法!!!

最終更新時間:2013年06月11日 11時44分38秒

「明るい警察を実現する全国ネットワーク」が支援してきた、警視庁万世橋署警察官による職務質問と所持品検査事件に関する国家賠償請求、指紋データ抹消請求訴訟で2013/5/28に東京地裁で一部勝訴判決(5万円支払い命令)がでました。

・平成25年5月28日 東京地裁判決 http://www.ombudsman.jp/policedata/130528.pdf

・平成23年9月6日 東京地方裁判所平成23年(ワ)第29379号訴状  http://www.ombudsman.jp/policedata/110906.pdf

・平成25年2月25日 原告最終準備書面 http://www.ombudsman.jp/policedata/130225.pdf

以下、原告代理人である清水勉弁護士の解説です。

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警視庁万世橋署の警察官の職務質問は違法!!!

去る5月28日、2011年に提訴した、警視庁万世橋署・違法職務質問事件の判決が出ました。職務質問とその直後の所持品検査は違法だったという、一部勝訴判決です。新聞、テレビで広く報道しているので、すでにご存知の方も多いと思います。

全体的には疑問の多い判決ですが、警察官の街頭活動として日常的に行われている職務質問のあり方に影響を与えると思います。

勝訴部分のポイント

1 職務質問の違法

「警察官が、その職務質問の開始時点で把握していた状況を勘案して上記要件(※)を満たすと判断する上において、合理的根拠が客観的に欠如していることが明らかであるにもかかわらず、あえて質問をすべく停止させたり、又は答弁を強要した場合には、上記職務質問は、警察官の職務上の法的義務に違反するものとして、国賠法上も違法になるというべきである。」※ 警察官職務執行法第2条第1項「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者」

本件では、原告が警察官らと眼が合ったときに視線を逸らせたと主張し、警察官が証言していたが、裁判所は、当時、秋葉原地区は雨が降っており、原告が不透明の傘を差して早歩きに歩いていたことからすると、目が合うことはなく、視線を逸らせたということもあり得ない、とした。警察官が偽証したことを認定した。

しかも、さらに、被告は、原告が任意に応じたのだから適法だと主張したのに対して、裁判所は、警察官職務執行法第2条第1項が、「もともと任意手段によるべき職務質問について、その要件を定めていることに鑑みると、警職法2条1項の要件を具備しない者に対する職務質問を開始することが警察法2条1項を根拠に許容されると解することは困難である。」とした。

2 所持品検査の違法

判決では、「所持品検査は、警職法2条1項による職務質問に付随して行われるもので、適法な職務質問の存在を前提としていると解される。本件職務質問は違法と言わざるを得ないから、これに付随して行われた本件所持品検査もまた違法であると言わざるを得ない。」

勝訴判決部分ではありませんが顔写真・指紋データの抹消請求権判決は、結論としては、原告の請求を認めなかったが、理論上、請求権があることを認めた。ただ、本件では、本人が承諾しているから適法だとした。したがって、本人が承諾していないことが立証できるケースでは、抹消請求できることになる。

報道

原告弁護団では、勝訴した部分も含めて、かなり不満のある一部勝訴判決でしたが、報道はかなり取り上げてくれていました。NHKはテレビとラジオのニュースで取り上げてくれました。新聞は、いつもの東京新聞以外に、讀賣新聞、毎日新聞、朝日新聞、日経新聞、産経新聞がわりと大きく掲載してくれました。これをさらに分析すると、東京新聞、讀賣新聞、毎日新聞、日経新聞が社会面なのに比べて、朝日新聞と産経新聞は都内版でした。注目すべき「事件」です。東京新聞、讀賣新聞、毎日新聞、日経新聞のデスクは都内以外に住む人にも知らせる価値があると判断し、朝日新聞と産経新聞のデスクは都内の住民に知らせれば十分だと判断したのです。警視庁の汚点が知られる範囲が新聞社によってちがっているのです。朝日新聞と産経新聞が意気投合するというのはおもしろい現象だと思いませんか。

・各紙の報道 http://www.ombudsman.jp/policedata/130529.pdf

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