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05.5.22 大分シンポ

最終更新時間:2005年09月14日 09時12分25秒

[05/5/22]大分シンポに参加

2005年5月22日、大分市で、おおいた市民オンブズマン結成10周年記念・第11回定期総会が開かれ「県警の裏金疑惑を追及する」シンポジュームが行われました。


北海道警の不正経理問題を実名告発した原田宏二氏と共にパネリストで登壇したのは、警察組織内において仕事上の失敗または部下職員個人が起こした不祥事の責任を、個人に押し付けられて退職に追い込まれた長崎県警元警察官大宅武彦氏(63歳)と高知県警の元警察官の片岡壯起氏(46歳)。

片岡氏は43歳の若さで警部の階級までエリート昇進していながら、根っからの真面目で素直な性格なため組織に徹底して従っていながら、かつての部下の贈収賄事件(キャバレー店長に飲食等の接待を受けた見返りに摘発情報を流した事案)に巻き込まれてしまい、同罪に仕立て上げられ、「懲戒免職処分」をちらつかせた脅迫マガイな誘導により辞職願を書かされ、退職に追い込まれた事例を紹介し、全国、多数の警察で発覚している不正経理問題にも触れて、警察幹部は私的流用を含む不正経理を認めてガラス張りの警察として出直して欲しいと訴えていた。

<片岡さんの場合>

私は、高等学校卒業後、高知県警に入りました。それ以来、私の人生はすべて警察に捧げてきました。高知県警内ではよい評価を受けていたと自負しています。各級昇任試験を経て、採用後26年目、43歳で難関の幹部登竜門「警部」の階級に昇任しました。

これでやっと自分の思っていることを警察の仕事に反映させることができると張り切っていた矢先、警部に昇任し警察署の刑事生活安全課長に就任して僅か10ヶ月目に、いきなり、前所属で一緒に勤務していたかつての部下に係わる贈収賄事件で、県警を代表して責任を取らされる形で依願退職させられてしまいました。

この贈収賄事件とは、風俗営業許可を取り、就労ビザの外国人女性たちのショーがある一方で、売春もなく暴力団に支配されることのない、明朗会計システムの「外国人キャバレー」ということで、一般の人々も公務員も、高知県警の上級幹部も多数入り浸っていた風俗店に、不法就労外国人摘発の捜査が入るということになり、その情報を直前に経営者にもらした部下と同席して無料接待を受けたことがあると言う事件です。

私の部下がこの店に連れて行ったのは私だけではありませんでした。その店には私より上の幹部も常連客として入り浸り、中には店の外国人タレントと結婚している者さえいました。その人たちも当然、私と同じように接待されたはずです。私が1年以上前に飲食したことを問題にするのであれば、ほかの警察幹部たちも問題になるはずです。県警幹部が軒並み問題にならないとおかしいのです。

しかし、高知県警警察庁は、如何にしてこの事件を小さく終わらせるかということに汲々とする一方で、部下ひとりだけではなく、ほかのだれかにも責任を取らせた形をとらないと対外的に面子を保てないと考えました。丁度、具合良く浮上したのがかつて一緒に勤務し、この店にも行ったことのある私でした。幹部警察官「警部」に登用されていた私に責任を取らせることで終結させようと考えたのでしょう。このような政治判断で県警は動いていましたから、それまで100%警察を信じて仕事をして来た私には、何がなんだかわからないまま事態は進んでゆきました。

事件の発端になった部下のほか、私はもう1人の部下だけが贈収賄事件の被疑者に仕立て上げられ立件され、これと並行して内部処分が検討され、私に「辞めなければ懲戒免職だ。免職がイヤなら辞職願を書いて諭旨免職を選べ。すぐに決断しろ」と脅迫マガイの誘導を受け、私は冷静に考える間もなく、辞職願を書かされ、退職に追い込まれてしまいました。

私は、警察職務を忠実に遂行してまいりましたが、警察の上級幹部が組織の面子と警視クラス以上の上級幹部の地位を守る為にこれほど汚い手段で警部クラスに責任を取らせるという事実を全く知りませんでした。誘導に従って「辞職願」を書きましたが、どう考えても不合理であり県人事委員会から裁判提起を指導され裁判所に退職処分の取消を求めましたが、県警の申請どおり棄却されてしまいました。

私が1人で悩んでいたところ、丁度、昨年の暮に、ここに同席の北海道警の不正経理問題を告発した原田宏二さんが代表となって設立した「明るい警察を実現する全国ネットワーク」という相談窓口があることを知り、早速、北海道まで相談に行きました。 原田さんの助言で同ネットワークの弁護士さんの支援をいただき現在この問題は高等裁判所で継続審理中です。

警察ネットに加盟する警察官経験者の話を聞いてみると、全国的にも組織の不祥事を最高幹部が責任を取らないで「警部級」を処分し、いかにも「重い処分をした」と公表している事例が他にもあることを知りました。

私は自分の身分回復を裁判で勝ち取りたいと強く願うと共に、現場で働いている警察官が、国民のために安心して働ける風通しの良い警察組織を実現させるため、警察ネットの皆さんと協力して訴えて行きたいと思います。

そのために、全国警察は、今、国民から不信感が噴出している「裏金問題」を洗いざらい公表し、責任者は、しかるべき責任を取って国民に謝罪し、明るい警察を立て直す責任があると思います。その原動力は、ここにお集まりの皆様の監視力が不可欠であります。

皆様のご協力をお願いしたいと思います。

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