“欄まるごと黒塗り”に司法が歯止め。
2025年6月3日最高裁第三小法廷は当初の不開示決定時点を基準に、合理的に区切った単位ごとの部分開示を審理すべきだとして高裁に差し戻しました。管理簿の「備考」欄は小項目に切り分け得ると明示し、欄一体視に依拠した一括不開示を抑制しました。
■何が変わるのか
1)欄単位の一体視に偏らず、合理的区切りで部分開示を審理。→恣意的な黒塗り拡大を防止
2)基準時は当初決定時 →後出しの形式変更で逃れられない
3)行政は不開示箇所と理由を細かく特定(ヴォーン・インデックス相当)。不十分なら裁判所が釈明で迫る——実質的に明細化を要求。
■9月30日〆:実務アンケにご協力ください(所要5–7分)
警察庁の管理簿では「取扱権限」「電気通信上の注意」「保存すべき場所」など、備考の小項目が典型。今後は項目ごとに“開示可能部分”が広がる見通しです。
各地の情報公開訴訟にどんな影響を与えているか。
2025年9月30日まで、係属事件で「備考欄の細分化」「基準時の扱い」「不開示理由の特定」がどう運用されたか情報公開訴訟担当者にアンケートを行っております。ぜひご協力をお願いいたします。
https://www.ombudsman.jp/taikai/250923.pdf
2025年10月26日(日)全国市民オンブズ大大阪大会 情報公開分科会で、情報公開訴訟に詳しい森田明弁護士を招いて上記判決の影響を共有します。
■各種資料
・判決原文:令和7年6月3日 最高裁判所第三小法廷判決
警察庁保有個人情報管理簿一部不開示決定取消等請求事件
表形式の行政文書の「備考」欄に記録された情報につき、一体的に不開示情報該当性についての判断をした原審の判断に違法があるとされた事例
https://www.courts.go.jp/hanrei/94152/detail2/index.html
・実務解説 2025年7月16日発行 かながわ市民オンブズマン広報誌第183号 森田明弁護士
速報!「警察庁個人情報管理簿情報公開請求訴訟」2025年6月3日最高裁判決~情報公開訴訟の審理に変革を迫る
http://kana-ombuds.world.coocan.jp/kouhou/2025/kouhou183.html#4
・実務解説 2025年5月17日 NPO法人 情報公開クリアリングハウス
警察庁秘密個人情報ファイル簿情報公開訴訟 最高裁口頭弁論
https://clearing-house.org/?p=7803
・背景・人 2025年9月17日発行 かながわ市民オンブズマン広報誌第184号 保坂 令子
宇賀克也さんの最高裁判事退官に寄せて~オンブズの軌跡に重ねて思うこと
http://kana-ombuds.world.coocan.jp/kouhou/2025/kouhou184.html#3
・関連判例 平成13年3月27日 最高裁判所第三小法廷
大阪府知事交際費情報公開判決
https://www.courts.go.jp/hanrei/52600/detail2/index.html
■情報公開分科会に参加を
大阪の現地参加は2000円、Zoom参加は無料です。ぜひご参加ください。
2025年10月26日(日)
9:10~11:20 情報公開分科会
要事前申込➡ https://ombuds2025.peatix.com/
【開催情報】
会場:ドーンセンター(大阪市中央区大手前1-3-49)
アクセス:https://www.dawncenter.jp/shisetsu/map.php
【大会本体(別枠)】
・2025年10月25日(土)13:00–18:00+懇親会/26日(日)9:10–12:00+オプション
・現地参加:2,000円|オンライン参加:無料(いずれも要申込)
・資料:無料DL可(紙冊子3,000円)
【カンパのお願い】
講師旅費・会場費・録画編集費にご支援を。Peatixからクレカでのカンパ可。
・銀行振込:あいち銀行 大津橋支店 普通 1121502 全国市民オンブズマン大会基金(事務局長 新海聡)
・郵便振替:00880-0-92327 全国市民オンブズマン連絡会議
・ゆうちょ銀行:〇八九店 当座 92327 全国市民オンブズマン連絡会議
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第32回全国市民オンブズ 大大阪大会
https://www.ombudsman.jp/taikai