あなたの税金で、”空飛ぶクルマ”が飛ぼうとしている——
その裏で、果たして本当に市民のための支出になっているのか?
🟥「公的な税金チェック」は機能していますか?
日本には、地方自治体の税金の使途をチェックする公的仕組みとして「議会」「監査委員」のほかに「包括外部監査」というものがあります。
都道府県・政令市・中核市で年1回行われる「包括外部監査」は、弁護士や公認会計士、税理士など外部の専門家がテーマを任意に選んで監査を行っています。
📘全国135自治体の監査を毎年読み込み、「通信簿」として評価・公開しています。
私たち「全国市民オンブズマン連絡会議 包括外部監査評価班」はその質を高めるため、2000年から毎年135自治体以上の監査を評価し、改善を促してきました。
かつて“1枚1155万円”だった監査報告は、現在では平均約1300万円、約200ページ(令和5年度)の「包括外部監査」が作られています。
ボリュームが増えただけでなく、かなり鋭い視点での監査も増えてきました。「市民が包括外部監査を育てた」のです。
今年は全9回の会議を行う予定です。
2025年7月5日(土)に第7回包括外部監査評価班WEB会議を行いました。
🟩良い事例(大阪市)
🛩 空飛ぶクルマに“待った”!監査の力が動いた
大阪市の令和6年度の包括外部監査テーマは「経済戦略局の事務事業の執行について~経済戦略、観光、産業振興に関する事業を中心に~」でした。
対象事業には、2025年の大阪・関西万博での目玉である「空飛ぶクルマ」も入っており、事業効果(目標)、経緯ならびに指摘及び意見が掲載されています。
大阪市包括外部監査人の川下清弁護士は「現在の態様のまま、万博終了後も惰性で継続することに大阪市にとっての公益性があるとは思われない。」と述べています。
🏢 見逃すな!ATC社と市の“不透明”な関係
アジア太平洋トレードセンター(ATC)と大阪市との不透明な関係は以前から指摘されていました。
今回の包括外部監査では、大阪市とATC社との関係を監査し、「ATC社が大阪産業局に過大な業務委託料を払っている」と指摘しています。
概要版は25ページ、本文は211ページ。大阪市ホームページに掲載されているので、ぜひお読みください。
🟥惜しい事例
❌ 含み損を無視?残念な監査もある
一方、基金を監査しておきながら、「含み損」について全く触れていない包括外部監査もあって、がっかりすることもあります。
各地方自治体では、金利上昇に伴い基金運用債券に含み損が発生しているというニュースが連日報道されています。
・市民の関心とズレた視点
「うちの自治体は大丈夫か?」と多くの市民が思っています。
「大丈夫」「大丈夫ではない」「自治体が含み損の有無を明らかにしていない」など、テーマを自由に選べる専門家である包括外部監査人しかできない監査を望みます。
✅ 今すぐできる「監査チェック」入門
各地の自治体は、包括外部監査ならびに措置をホームページ上で公開しているので、ぜひ一度見てみてください。
「包括外部監査」という制度は、使い方次第で“絵に描いた餅”にも“税金の番犬”にもなり得る。
だからこそ、市民によるチェックが必要不可欠なのです。
地方自治体には議会も監査委員も包括外部監査もあります。
にもかかわらず、どうして税金の無駄遣いが減らないのか?
市民が、それら公的仕組みをチェックしたり、情報公開請求や住民監査請求・住民訴訟でチェックし続けることが何よりも重要です。
「まずは地元の監査レポートを読んでみる」だけでも立派な市民参加です。できるところから、チェックの輪に加わってください。
ある議員は『自分で監査報告を読んでみて驚いた。決算議会で具体的に使える』と語ります。
日本では私たち市民が「主権者」なのです。
投票日だけの「有権者」ではない、ということを行動で示してみませんか?
📣 通信簿づくりを応援してください!
あなたの応援が、税金の番犬を育てます。1冊の監査報告書が、ムダ遣いを止める力になるのです。
✅ 郵便振替・銀行振込:下記の口座にお願いします
(※通信欄に「包括外部監査支援」と記載)
郵便振込口座番号 00220-4-41902
ゆうちょ銀行 当座:〇二九店 41902
三菱UFJ銀行 四谷支店 普通 0110626
※口座名称 特定非営利活動法人 情報公開市民センター
(支援の際はメールを office@ombudsman.jp )
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全国市民オンブズマン連絡会議 包括外部監査の通信簿