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自治体の措置評価について(08/12/8)

 近年、監査人各位の努力もあって、報告書自体は発足時と比べると全体として充実していますが、最大の問題はこれらの「活用度」であるとの意見が強くなり、私達の中でも監査報告書の評価よりも活用度の評価をすべきだという声が強くなってきました。
 もちろん、その活用度は監査された対象テーマ、指摘事項や意見によってそれに対する措置の対応に要する時間、対応内容は異なると思われます。
 しかし、私達としては監査の結果(指摘事項や意見)に対する市民への説明(責任)については、監査報告書の内容によって変わらないと考えます。対応内容の措置と説明レベルは変わっても、監査結果への説明を適切に行なうべきことは共通です。

現在、包括外部監査を行った自治体に対して、「措置」についてどのような体制を取っているのか、きちんと活用しているかをアンケート調査しています。
アンケートの集計結果は、09年8月発行予定の「通信簿」に掲載する予定です。


↑包括外部監査の仕組みの説明ならびに、市民オンブズマンの行おうとしていること

以下文書での説明

市民オンブズマンは、平成7~8年ごろから「官官接待」「カラ出張」を
追及し始めました。その中でも調査対象に選んだのは内部監査委員の
不正・癒着でした。
情報公開請求により、カラ出張で裏金を作るだけでなく、監査対象の
自治体各課からの接待を受けていたことが判明しました。

このような市民オンブズマンの指摘を受け、法律が改正されて
平成11年度より全国の都道府県、政令都市、中核市に包括外部監査の
実施が法定義務化されました。

税金の無駄遣いが指摘される中、行政内部の監査と異なり外部の
経済的・精神的に独立した監査人が監査を行うこの包括外部監査が、
行財政の改善にどれだけ役立つのかは外部監査人が作成する
報告書に寄るところが大きいです。

しかし、内部監査委員を追及してきた私たちからすれば、外部監査委員も
行政と癒着し、「第二の内部監査委員」となってしまわないか大変恐れました。

わたしたちは、この包括外部監査結果報告書を評価することにより、
市民自身が行財政の諸問題を学び、行政がより一層正常化するよう
監視していくことが必要だと考え「包括外部監査の通信簿」という、
報告書を評価するためのまさに通信簿である冊子を作成することにしました。

また、外部監査人が公費支出に関して鋭い視点から、行財政の
正常化の為の改善点を指摘した有益な報告書を作成・公表したと
しても、監査を受けた行政側が監査結果を真摯に受け止め、
是正・改善のための指摘事項への対応を取らなければ、外部監査は
活かされていないことになります。

そのため、今回から外部監査結果報告書への評価だけではなく、
監査結果報告書で指摘された事項についての行政側の対応状況の
調査も必要と考え、対応状況への調査を始めることにしました。


以下、市民オンブズが措置評価を行った例

  • 埼玉県 措置評価(pdf)
     

  • さいたま市 措置評価(pdf)
     

  • 川越市 措置評価(pdf)

    以下、市民オンブズが自治体に要求して、自治体が詳細な措置状況を作成した事例

  • 高知県の措置一覧
  • 高知市の措置一覧