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大分調査申入040426

最終更新時間:2004年05月12日 15時39分36秒

2004年4月26日

大分県警察本部長 柴田健 様         

特定非営利活動法人 おおいた市民オンブズマン 理事長 河野聡・瀬戸久夫

事務局 〒870−0047 大分市中島西1−4−14 市民の権利ビル2階 TEL・FAX 097-534-8104

連絡先 〒874−0947 別府市浜脇2−11−11 副理事長 永井敬三 TEL・FAX 0977-23-6561

 調査申し入れ書

貴職におかれては、日夜を分かたず職務にご精励のことと拝察いたします。

さて、ご承知のように全国各地の自治体警察において、カラ出張や捜査報償費等の不正支出の存在が明らかになりつつあります。大分県においても、これまでに同様の不正疑惑等について貴職に調査申し入れ等を行なってまいりました。

そうしたなか、複数の県警現職から新たな情報提供があり、ここにいたってこれを看過することは許されず、本日ここに調査の申し入れをいたします。そこには、先輩職員から後輩への熱い思いが語られています。また、一般職員の幹部職員に対する根深い不満が込められています。

これら現役警察官らの警察組織の将来に対する真摯な思いを重く受けとめ、過去の悪弊を払拭し新たな一歩を踏み出すべき重大な時期に直面していることを認識しなければなりません。

今月12日付の当法人理事長あての文書(以下「理事長あて文書」という。)および同25日の当法人副理事長あての電話受け(以下「副理事長あて電話」という。)の内容等についてお示しいたします。

1.捜査費、旅費等の国費予算の不正

「理事長あて文書」は、次のように書き出しています。

「4月に入り、私の勤める大分県警でも初々しい新人の姿が目につく時節になりました。その姿に自分の新人時代が彷彿し、心中、頑張れよと声援を送っているところです。反面、この職場は彼らが真から胸を張って働ける状況にあるのかと、危惧もしています。特に最近は北海道警や福岡県警等において、勇気ある先輩方の英断で報償費の流用問題など過去の膿が次々と明るみに出て、世間の厳しい批判にさらされる試練の時代となっているからです。「俺は加担していないから知らないよ」というわけにはいかないのです。しかし、新人諸君には負けないで欲しい。「若い警察官は違うのだ。一部の馬鹿な先輩とは違うのだ。」という気持ちで、一途に本来の使命の達成に邁進するよう声援を送っているのです。

そこで、いま必要なことは隠蔽した問題を一気に精算し、若い者が大手を振り、夢を持って仕事に励める環境整備を図ることだと思います。まもなく来る退職を前に、良識ある人に胸中にくすぶる事柄を吐き出して気持ちを軽くするため、このような手紙を認めました。」

そして、「いま話題の報償費や旅費の問題は、新聞等で報道される他県の状況と何ら変わりません。」と続けています。

ここで、先月25日付で貴職に提出した「過去文書を廃棄しないよう求める申し入れ書」に添付した、2000年5月15日付「申し入れ書」の該当部分を再掲します。


「2.公安委員会の責任において、独立した第三者調査委員会を設置し県警の不正経理の実態調査を行ない、その方法・経過・結果を県民に公表すること。

これまで、複数の県警職員経験者から、カラ出張の書類を書かされたことや民間人の捜査協力に対するカラ謝礼の書類を書かされたことなどの証言が当会に寄せられています。

犯罪行為を取り締まる機関として、あるまじき行為ですが、知事部局のみならず、教育機関の監督庁である教育委員会や行政のチェック機関である監査事務局までもが不正支出を行なっていたことを思うと、残念ながら、県警においても公金不正支出があるのではないかとの疑念をいだかざるを得ません。

いずれにしてもひとり県警のみが例外であるとは言い切れない以上、公金不正支出調査を行ない実態の解明をしなければ、県民の理解も信頼も得られないばかりか警察への不信感が募ることになりかねません。

1984年出版された、「わが罪はつねにわが前にあり」(社会思想社)という告白書において、元警視監松橋忠光氏は、「裏金づくりは、全警察組織で行なわれている」と指摘しています。

本年3月、当会に寄せられた大分県警職員の「内部告発」と思われる情報提供の内容を、以下に要点列挙します。

(1) 警備、麻薬捜査、広域窃盗捜査等の目的で費消される旅費は国費で支弁される。各所属に配分され、会計担当者が公用車・JR・バスを利用したように旅費請求書を作成する。しかし、8〜9割がカラ出張である。

国費の旅費は口座振り込み制度になっている。所属によって異なるが、警備課員、生活安全課員の通帳とキャッシュカードを所属の会計で預かり、会計課員がキャッシュカードで現金を引き出し、実際に公用車を使用した分とカラの分を振り分けた後、現金支給する。本部警備第一課の課員は日常的に県外カラ出張をさせられている。同課の旅費は相当な金額になる。

県費の旅費は、九州では大分だけが現金支給であったが、警察庁の指示により本年4月からは口座振り込みになる予定である。会計課№2(課長補佐のことか)が、各警察署を回り国費と同様の方法で現金化するよう指示しているようである。

(2) 普通の公用車による県内出張、JR旅費、県外出張等は、県費の旅費である。これは、各所属にある「動態表」という一種の裏帳簿に、年次休暇、当直、公用車による出張を記入し、平日で空いているところに、中津、佐伯、竹田等へのJRでの出張や国東、佐賀関などのバスでのカラ出張を記入する。その上で、精算旅費として翌月請求する。

監査対策として、捜査等で公用車が不足しているのでJRやバス利用の旅行命令をしているとの想定問答を用意している。しかし、公用車の運行状況を調査すれば、虚偽であることは明らかである。

他県で実施しているところもあるように,JR旅行等の場合は半券を添付するなどの措置をとるべきである。

(3) このようにしてえた裏金は、所属長や№2(課長補佐・次席・副署長のことか)の交際費となり、職員の冠婚葬祭や退職・転勤にともなう餞別などとして遣われる。

1998年5月に報道された熊本県警の不正経理と同様に、裏金の出納を記録した裏帳簿がある。裏金は、№2か、総務課長が保管するが、№2は捜査費を保管している。捜査費も国費と県費があり、99%がカラである。

(4) 4年前、A署のB署長は裏金200万円ほどを持って、転勤していったとのことである。異動の際に、ほとんどの署長が同様のことを行なっている。

(5) 公用車で出張した際に支給される日当は必要ない。車で8km以上移動すると1100円、片道50km以上移動すると2200円支給される。しかも運転技師にもこれが適用されている。他の自治体ではこの種の日当が廃止される方向にある。

裏金づくりに、多大の事務処理が必要となるので、このこと自体が、すでに税金の無駄遣いとなっている。」

次に、「副理事長あて電話」は、以下のとおりです。

「5年ほど前、※※※※課企画官・※※※※ (前※※※※課長、現※※※※課長)は、捜査費の裏金を着服していた。現場の者は、1年に1回くらい居酒屋のようなところで3000円程度の飲食を受けるくらいです。上の者ばかりが(裏金を)とっていく。下の者にも(分けて)やるんならわかるけど、自分たちだけが持っていくのは許せない。この前2・3人で飲んだとき、「どうすりゃいいんかのお。」と話し合ったところです。辞めたもんもいるから、証言する人も出てくる。名誉毀損になんかならん。事実のことです。第一課は、国費の予算がいちばん多く来るところです。カラ出張でもやっている。2年くらい前からはやらなくなった。(いま問題になっているので)※※※※は心配で夜も寝られんそうです。」


2.セクハラ・情報漏洩・その他

以下は、「理事長あて文書」(別紙)から摘示します。詳細については、別紙を参照してください。

  1. 警察官らの実名を挙げた男女関係について4件。そのほか飲食店従業員への強制猥褻行為1件。これについては、プール金の流用をともなう。
  2. 再就職者の求めに応じて、現職が情報漏洩。
  3. 現職による県警察情報通信ネットワークの外部接続。
  4. その他、設備費用の還元金受け入れ記録の所在不明。共済組織の不適切な運営。

以上のことについて、事実関係の調査をただちに実施していただいたうえで、その結果について5月21日までに、当法人連絡先の副理事長あてに文書回答を下さるようお願いいたします。以上

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