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福岡審査要求

最終更新時間:2004年04月30日 18時57分53秒

会計検査院に対する「審査要求書」提出について

 1.行動の意義

  1. 警察不正支出疑惑については、県費分は福岡県監査委員に対して住民監査請求を行ない住民訴訟を経て損害賠償請求にふみ切ることが可能である。これに対し、国費分の捜査費、旅費については監査委員への住民監査請求の対象外となっている。
  2. 全国市民オンブズマン連絡会議はかねてから国レベルの納税者訴訟(国民訴訟)制度の創設を提言しているが、このような制度ができるまでの間は、会計検査院法35条に基づく「審査要求」制度を利用するしかない。
  3. この制度では、審査要求権者は「利害関係人」に限定されている。 従って会計検査院には
    1. 我々の「利害関係人」性を否定して門前払いする
    2. 利害関係人性は認めないが職権による措置(34条又は36条)という形で実質的に要求を容れる
    3. 納税者の利益を代弁するNGOにも利害関係人性を認める

という3つの選択肢がある。

  1. 審査要求に関する第35条は、アメリカの「クレーム・セツルメント」という制度に倣ってつくられたものといわれているが、アメリカではこの制度により、国費の使途について審査請求ができ、会計検査院の職員七千名のうち千名がこの対応に従事しているという。日本では戦後68件(2001年まで)しか請求がない。(「警視庁裏ガネ担当」大内顕 著 講談社刊による)
  2. 今回の要求に対する会計検査院の対応が前向きのものであれば、オンブズマン活動の「ビジネスモデル」が拡張されることになるし、仮に上記(1)の門前払いであっても、そのことは国民訴訟制度の必要性をアピールする材料になる。

審査要求書の内容 別添のとおり

提出日時 04年4月28日に郵送。30日到着予定。

提出先 会計検査院長(窓口は、官房法規課) 所在地は、東京都千代田区神田神保町1−105電話(代表)03−3581−3251 


審 査 要 求 書

2004年4月28日会計検査院院長 森下 伸昭 殿

NPO法人 市民オンブズマン福岡代表幹事  児嶋研二

 第1 審査要求の趣旨

福岡県警察銃器対策課に支給された国費による捜査費が、目的外に使用または、私的に流用されるなどの不正使用によって、国が蒙った損害について、填補賠償の請求をしないまま放置することは不当であるので、御庁が主務官庁その他の責任者に対し、その是正をはかるよう通知することを求める。

 第2 審査要求の理由

  1.  不法行為に基づく国の損害賠償請求権の存在
    1. 福岡県警元警部A氏は、福岡県警銃器対策課庶務係長在任中の平成7年から平成10年までの間において、国や県から交付された捜査費、捜査報償費、旅費について、会計書類を偽造して少なくとも六千六百万円に上る裏金づくりに関わったと証言した。(別添資料1)
    2. 福岡県警の現職とOB警察官の証言「どの捜査部門でも昔からやっていた」「裏金はあった」ことを3月12日付西日本新聞で報道されている。(別添資料2)
    3. 3月16日付西日本新聞で、銃器対策課の元警部の証言として「県警全体で裏金をつくっていた」「会計課が徴収していた」「生活安全部長に上納していた」「協力者に現金を支払ったことはほとんどなかった」と報道されている。(別添資料3)
    4. 3月20日付読売新聞では、複数の現職幹部や捜査員の証言として「幹部が毎月裏金目標額を定めていた」と報道されている。(別添資料4)
    5. 平成16年4月14日付新聞報道で、現職警察官が福岡県監査委員の調査に対して実名で裏金づくりを認める申立書を提出していたことがわかった。数十年前から疑惑発覚直前の今年2月まで書類を偽造していた。また、「捜査費は一度も受け取ったことはない」「捜査費を偽造してつくられた裏金は幹部が転勤の際にもっていった」との証言も行われている。(別添資料5)
    6. 福岡県警の調査チームは福岡県議会警察委員会に対する「調査チームによる調査中間報告について」(平成16年4月20日付警察委員会資料)において、「捜査(報償)費(の支出について)一部不適正な執行があったと認められた」と報告されている。(別添資料6)
    7. このような捜査費の不正使用、私物化は、いうまでもなく犯罪であり損害賠償義務を負うものである。
    8. 以上の次第により会計検査院法第35条および会計検査院審査規則第3条に基づき、御庁が前記趣旨の是正通知を発せられるよう審査要求をする次第である。

 第3 添付資料の表示

  1. 福岡県警元警部による内部告発に関する報道、西日本新聞(平成16年3月6日付)
  2. 平成16年3月12日付西日本新聞
  3. 平成16年3月16日付西日本新聞
  4. 平成16年3月20日付読売新聞
  5. 福岡県警現職警部による監査委員への申立書提出に関する報道、西日本新聞(平成16年4月14日付)
  6. 福岡県警調査チームによる県議会警察委員会への報告「調査チームによる調査中間報告について」(平成16年4月20日)
  7. 平成16年4月21日付西日本新聞

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