最終更新時間:2004年11月22日 16時32分10秒
静岡県警が不正支出を認め、2004.6.30に10,267,010円、2004.10.6に13,110,000円を返還しました。
調査結果報告書を情報公開しました。PDFはこちら。
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平成7年度における警察本部総務課の旅費、食糧費等執行状況の調査結果報告書
平成16年4月16日
静岡県警察予算執行調査委員会
平成16年4月16日
平成7年度における警察本部総務課の旅費、食糧費等執行状況の調査結果報告書
平成7年度における警察本部総務課の不適正な旅費執行及び妥当性を欠く食糧費執行等に対する調査結果については、次の通りである。
1 調査概要
(1)調査対象
ア 平成7年度警察本部総務課の旅費
イ 平成7年度警察本部総務課の食糧費
ウ 平成7年度警察本部総務課の使用料及び賃借料
(2)調査対象者
ア 旅費
平成7年度に総務課で旅費を執行していた職員等33人
イ 食糧費
平成7年度に総務課及び会計課で勤務していた職員13人
(3)調査項目
ア 警察本部総務課旅費の執行状況
イ 警察本部総務課における架空の旅費執行額等の費消内容
ウ 警察本部総務課食糧費の執行状況
(4)調査方法
ア 調査体制
調査班は、当初25人より編成、その後31人体制に増強
イ 調査期間
平成15年12月1日〜4月9日
ウ 聴取調査及び裏付調査
旅行の実態及び費消内容の聴取調査並びに裏付調査
2 調査結果
(1)旅費について
ア 旅費の執行実態
総務課において、延べ1,846人が旅行し、13,449,343円が支出されているが、その実態は、下表の通りである。
旅費総執行額 | 適正執行額 | 不適正執行額 | |
---|---|---|---|
総務課旅費執行 | 13,449,343 | 4,048,268 | 9,401,075 |
イ 不適正旅費の捻出実態
旅費事務担当者が総務課幹部の指示に基づき、課員の印鑑を一括管理し、架空の旅費請求文書を作成していた。その形態は下表の通りである。
件数 | 支給額 | 適正執行額 | 不適正執行額 | ||
---|---|---|---|---|---|
旅行の実態が確認できたもの | 395 | 3,547,481 | 3,547,481 | 0 | |
捻 | 旅行の実態がなかったもの | 308 | 8,654,376 | 0 | 8,654,376 |
出 | 旅行の実態はあるが、旅行者の人数を上乗せしたもの | 24 | 782,337 | 317,933 | 464,404 |
形 | 旅行の実態はあるが、宿泊日数を上乗せしたもの | 4 | 355,450 | 134,314 | 221,136 |
態 | 公用車による旅行を交通機関利用としたもの | 5 | 109,699 | 48,540 | 61,159 |
小計 | 341 | 9,901,862 | 500,787 | 9,401,075 | |
計 | 736 | 13,449,343 | 4,048,268 | 9,401,075 |
ウ 捻出金の保管・管理状況
捻出された現金は、旅費事務担当者から次長に手渡され、次長が机の引出内に手提げ金庫により現金で保管していた。保管された現金は、本部長の激励費等に支出されていた。なお、捻出金の出納については、現金出納簿により記帳されていたが、すでに廃棄されている。
エ 捻出金の流用状況
捻出された9,401,075円は、総務課幹部からの聞き取りから、本部長激励費、本部長慶弔費、事務機器等購入経費、残業時夜食代、タクシー代等に流用したとの供述を得たことから、それぞれの費目について、その裏付調査を実施した結果、6,242,032円については、流用の裏付けが取れ、金額が特定できたが、残り3,159,043円については、裏付けが十分取れなかった。
捻出金 | 裏付けが取れた額 | 裏付けができなかった額 | |
---|---|---|---|
金額 | 9,401,075 | 6,242,032 | 3,159,043 |
オ 流用の理由
総務課幹部からの聞き取りでは、「捜査活動や警戒警備活動等に従事する現場警察官の士気を鼓舞し、労苦に報いたい、物品購入等の手間を省きたい、課員の様々な要求に応えたい」等の安易な考えから流用したものであり、会計経理を管理監督する立場のある職員に公金の取扱いに関する認識の甘さ、意識の低さがあったことが、本件事案の原因であったと認められる。
(2)食糧費について
会計法規上の正式な執行手続きを経ていること及び当時は食糧費執行基準等の規定はなく、費用の総額が予算残高の範囲内で支出可能額であれば執行していたという当時の運用基準から判断すると不適正な執行とはいえないものと思料される。しかし、その後の判例に照らし、一人当たりの飲食費が5,000円を超えるものは、社会通念上、妥当性を欠くと判断した。なお、食糧費の執行実態に関する調査結果は、下表のとおりである。
執行額 | 一人当たり5000円を超える飲食費の合計 | 一人当たり5000円を超えた部分の額 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
件数 | 金額 | 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | |
総務課食糧費執行 | 31 | 4,384,080 | 7 | 2,162,144 | 7 | 1,012,177 |
(3)使用料及び賃借料について
5件、410707円執行しているが、支出表、請求書に執行日または支出目的が記載されており、いずれも事実関係が認められ、適正な執行であった。
3 返還金
不適正な旅費執行額のうち、裏付けが取れず個別の金額の特定に至らなかった分の3,159,043円及び食糧費のうち、妥当性を欠くと判断した一人当たり5,000円を超える額の1,012,177円については、当時の関係幹部により返還することとする。ただし、平成7年度から平成15年度までの一連のものとしてとらえる必要があることから、総務課に係るすべての調査を終了した時点で法定利息を加算した額を返還することとする。なお、旅費と食糧費の返還合計額4,171,220円に法定利息を加算した額(平成16年4月1日現在)の試算は下表の通りである。
返還基礎金額 | 同左の法定利息加算額 | 備考 | |
---|---|---|---|
旅費 | 3,159,043 | 4,667,350 | 加算額はH16.4.1現在 |
食糧費 | 1,012,177 | 1,495,451 | 〃 |
計 | 4,171,220 | 6,162,801 | 〃 |
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