{{outline}} !!!裏金問題について !!警察裏金問題って何ですか? 各都道府県警が組織ぐるみで何十年にもわたって裏金を作っていたという問題です。ありとあらゆる部署で税金がいったん裏金化していたという疑惑があり、一部は警察も認めています。 現在発覚したり、疑惑があるのは以下の通り。 *捜査費(国費)・捜査報償費(県費)の架空の領収書を作る。 *県警職員が出張したことにして、架空の旅費を請求する。いわゆる「カラ出張」を行う。 *警備員を水増し報告する。  「「だいじょうぶ? 日本の警察」より不正経理問題部分」も参照のこと。 !!捜査費(国費)・捜査報償費(県費)って何ですか? 本来、捜査費・捜査報償費とは、犯罪捜査に従事する警察職員のための諸経費及び捜査協力者・情報提供者に対する諸経費のことです。詳しくは、「捜査費の具体的な使途について」を参照。 !!捜査費・捜査報償費は合計いくらくらいなのですか? 捜査報償費 総額の推移([平成16年2月24日国会答弁書より|http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b158012.htm]) 単位:千円 ,,平成10年度, 平成11年度, 平成12年度, 平成13年度, 平成14年度 ,国費 ,8,391,899 ,8,358,395 ,8,482,787 ,5,916,676 ,5,103,846 ,県費 ,3,346,300, 3,829,007 ,3,668,654 ,2,832,169 ,2,546,405 ,合計 ,11,738,199, 12,187,402, 12,151,441, 8,748,845, 7,650,251 {{ref_image sousa10-14.JPG}} !!作った警察の裏金はどこへ行くのですか? よく分かりませんが、警察官内部で飲み食いする時に使ったり、幹部の餞別、各県警本部や警察庁幹部への上納に充てられているといううわさがあります。 !!どうして市民オンブズマンは警察の裏金を追及しているのですか。 警察の裏金の元は税金です。税金を正しい使途以外に利用するのは犯罪です。これまで、県庁や市役所に対してカラ出張・カラ接待を追及し、不正支出金額の全都道府県合計が436億6308万円、返還額は303億8722万円、処分された職員数は20727人となりました(1998年6月、全国オンブズ調査)。警察だけを特別視するつもりはありません。 !!とはいっても、「組織の潤滑油」としての裏金は必要ではありませんか? 現在、現場の捜査員の切実な悩みは「捜査費が現場に下りてこない」ということです。情報を得ようと協力者に接触し、ご飯を食べさせようとしてもみんな自腹。いったん捜査費が全額裏金化したあと、ほんの一部が表の捜査費に流れてくるという構図です。 !!警察の裏金を認め、返還している例が増えてきていますが、返還すれば済むのですか。 [[各県警返還額一覧]]にあるように、警察が不正支出を認めている例が増えてきています。しかし、私的流用があったのかなかったのか、はっきりしていません。「闇組織」の力を恐れて検察も国会も追及してこなかったのではないか、と考えております。「闇組織」に光が当たりつつある現在、「返還して終了」にさせないために今後も追及していきたいと思っております。 !!どうしてこれまで追及されてこなかったのでしょうか? 本来警察を監督すべき、都道府県では公安委員・監査委員、国では国家公安委員会・会計検査院などがしっかり仕事をしてこなかったのが原因でしょう。また、警察内部の監察官も、機能していないのも原因です。確かに捜査上の秘密は重要ですが、チェックする人にまで秘密にするとは市民の常識から外れています。「警察一家」以外には公開したくないというかたくなな姿勢が見え隠れします。また、マスコミなども本気で追及してきたか疑問です。最近になってようやく変化の兆しが出ているのはいい傾向だと思います。 市民の側では、各都道府県警へ情報公開請求ができるようになった(情報公開条例の実施機関になった)のは2001年ごろからです。警察庁(国)には2001年4月からようやく情報公開請求できるようになりました。しかし、ここでも「捜査上の秘密」で、捜査費などはほとんど墨塗りになっています。 !!どうして捜査費は2000年度をピークに減り続けているのでしょうか? はっきりとした原因は分かっていませんが、2001年4月から情報公開法が施行されたのと、情報公開条例の対象になったことが大きいのではないでしょうか。また、愛知県警では、[2001年度から捜査費の領収証の添付が義務付けられた(それまでは領収証の添付が必ずしも必要でなかった)|http://www.pref.aichi.jp/suitou-kanri/webpress_happyo_template.html]ことが、愛知県の調査で判明しています。(領収証のある捜査費支出は全体の10分の1でした。) 捜査費が減ったからといって、犯罪検挙率が極端に下がった、というわけでもないようなのが不思議です。2001年度から捜査諸雑費制度が取り入れられた、という話もあります。今後の検討課題です。 なお、2000年の[警察刷新会議|http://www.npsc.go.jp/sasshin/]以後は裏金化はしていない、という言説も一部ありますが、2001年度以降も警察は裏金を作成しており、事実認めている警察もあります。(北海道警、愛媛県警など) !!!その他 !!警察の階級を教えてください。 下から順に下記の通りです。 *巡査(巡査長) *巡査部長 *警部補 *警部 *警視 *警視正 *警視長 *警視監 *警視総監 *警察庁長官 !!お勧めの本を教えてください。 05/4/15発売の[「日本警察と裏金 底なしの腐敗」|http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/housyouhi/document/0504/050413c.html](北海道新聞取材班 講談社文庫 660円)は、北海道警だけでなく、高知、愛媛、兵庫県警でも同様のことが行われていたことを明らかにした著作です。 2005/03/10発売の[警察内部告発者Whistle Blower|http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2127415&x=B](原田宏二 講談社)は、元北海道警最高幹部が語る生々しい裏金作りの実態と、未だに巨大な闇に包まれている「稲葉事件」について語られています。 [警察幹部を逮捕せよ!泥沼の裏金作り|http://www.junposha.co.jp/guide/1sya/etc/keisatu.htm](大谷昭宏+宮崎 学+高田昌幸+佐藤 一 編著 旬報社180頁 定価(1,500円+税)発行日 2004/6/30)はおすすめです。 また、04/8/10発売の[追及・北海道警「裏金」疑惑|http://shop.kodansha.jp/bc/bunko/index.html](北海道新聞取材班 講談社文庫 876円+税 発行日2004/8/15)もお勧めです。 !!その他各種資料を教えて下さい。 平成13年度鳥取県包括外部監査[「鳥取県警察の財務に関する事務の執行および事業の管理」|http://www.pref.tottori.jp/kansa/h12kansah13-1.htm]は一読に値します。また、平成15年度静岡県包括外部監査[「業務委託契約について(静岡県警本部)」|http://www2.pref.shizuoka.jp/all/kenkouho.nsf/c8239ff2fa2330a4492569e600064066/8F50C13D2774332949256E77002E1B4E/$FILE/331-gougai.pdf]も警察利権の実態の一部が分かり興味深いです。 (都道府県・政令市・中核市に年1回義務づけられている包括外部監査では、ほとんど警察に関して取り上げられていません。)