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愛媛県人事委員会の裁決についての声明

最終更新時間:2006年06月09日 10時00分34秒

愛媛県人事委員会の裁決についての声明

長年にわたる裏金作りの実態を実名告発した愛媛県警の仙波敏郎巡査部長が報復的な人事異動の処分を受けた事に関し、愛媛県人事委員会に対して人事異動の取り消しを求める不服申立をしていた件で、愛媛県人事委員会は06/6/6づけで人事異動の取り消す裁決を行いました。本件配置転換処分は、なんら必要性のない恣意的な処分で人事権の濫用であるから、取り消すというものです。

以下、弁護団の声明  PDFはこちら


2006年6月7日

 愛媛県人事委員会の裁決についての声明

仙波敏郎巡査部長を支援する弁護団(略称「仙波さん支援弁護団」)

昨日,愛媛県人事委員会は,仙波敏郎巡査部長が昨年2月23日に申し立てた不服申立について裁決し,本日その裁決書(以下「本件裁決」という)の交付を受けた。

本件裁決は,基本的に,申立人の主張を全面的に認めた上,地域課長が昨年1月27日付で行った配置転換処分の取消を命じた画期的なものである。

本件裁決は,「異動後に申立人が担当している業務の量は勤務時間に比して著しく少なく,また,その地位に相応した役割分担が認められていないなど業務の割り付けや処遇が正常なものであったとは認めがたい。申立人が異動させられた係自体が,恣意的に新設されたものであり,本来公務員が分担するにふさわしい内容を備えていないことが,その主な原因であると認められる。」とした上,「本件処分は申立人による告発会見の直後に,まさに告発会見したことによって行われたといわんばかりのタイミングで行われており,告発会見との間に強い関連性があるものと認められる。告発会見の内容に問題がある場合に,それを理由として何らかの処分が行われるのならともかく,会見の内容はまったく問題にされておらす,会見を行ったこと自体を理由としているとしか解しようがない。」としており,本件処分が,正に報復人事であったことを明確に認めた上,仙波さんが記者会見によって告発した内容を県警が全く問題としていないことを指摘していることから,裏金問題を隠蔽するために行われた見せしめのための処分であることにも理解を示したものということができる。

もう1つの申立である拳銃の取り上げについては処分にあたらないと判断しているが,拳銃の取り上げは既に昨年4月18日に解除された問題である上,これは法的にやむをえない判断と見ることも出来ることであるが,本件裁決は,「申立人に自殺のおそれや他害の危険性があったとは認められず,拳銃の保管措置には相当な根拠は見出し難い」と明快に判断しており,この点においても実質的な勝利と評価することが出来る。

本件裁決は,県民の良識をそのまま反映したものであるということができ,我々弁護団は,本件裁決について,愛媛県人事委員会の見識に心から敬意を表するものである。

愛媛県警は,本件採決を最大限尊重し,速やかに配置転換処分の取り消しに従い仙波さんを原職に復帰させるべきである。

また,同時に,愛媛県警の裏金問題を隠蔽するのではなく,この機会に,県民に全てを明らかにし,県民の理解と支持を得られる愛媛県警察に再生すべきである。

以上,声明する。

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