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愛媛 警乗手当請求訴訟

最終更新時間:2005年04月04日 15時12分28秒

仙波さんの警乗手当請求事件について愛媛の今川弁護士のレポートです。以下訴状と証拠保全申立書を掲載しています。

 1.提訴の目的

鉄道警察隊員の列車警乗に対して支給されるべき警乗手当が、平成13年まで全く現場の隊員に支給されず、裏金化されていたことを暴くために起こしました。

 2.提訴日

2005(平成17)年3月4日本訴と証拠保全申立を同時に行いました。

 3.保全決定、送達、保全実施日

  • 決定: 2005(平成17)年3月24日 
  • 送達: 同日 午後1時30分  
  • 実施: 同日 午後2時30分(県警本部会計課へ臨場して証拠物の検証)

 4.証拠保全の顛末

裁判官や書記官と共に多数のマスコミを伴って県警本部に乗り込み、仙波さんの列車警乗にかかる旅行命令簿等(平成13年以前)の検証を要求しましたが、驚くべきことに、県警側は仙波さんについてはそのような書類は存在しないとしゃあしゃあと嘘をつき、検証は空振りに終わりました。

当日、保全決定書が送達されると、県警本部内では上へ下への大騒ぎになったそうですが、結局書類は当初から存在しなかったものとして対応することに決めたようです。

書類がないということは、平成11年から同13年まで、仙波さんについては警乗手当が支給される列車警乗が全くなかったということを意味しますが、事実に反していることは明らかです。よく平気でこういう嘘がつけるものです。

今後は本訴で県警の嘘を暴いていきます。


訴   状

2005(平成17)年3月4日

松山地方裁判所 御中

原 告    仙 波 敏 郎

原告訴訟代理人の表示  別紙代理人目録記載のとおり

(送達場所)松山市歩行町1−2−4安部ビル2階今川法律事務所

(電話)947−5955 (ファックス)947−8685

〒790-0001 愛媛県松山市一番町4丁目4番地2 被 告    愛 媛 県                         代表者知事    加 戸 守 行

原告訴訟代理人

  • 弁護士  薦  田  伸  夫
  • 弁護士  今  川  正  章
  • 弁護士  高  田  義  之
  • 弁護士  東     俊  一
  • 弁護士  山  ロ  直  樹

 警乗手当請求事件

  • 訴訟物の価額 13,600円
  • 貼用印紙額   1,000円
  • 予納郵券額

請 求 の 趣 旨

  1. 1. 被告は原告に対し、金13,600円を支払え。
  2. 2. 訴訟費用は被告の負担とする。

との判決を求める。

請 求 の 原 因

 一 当事者

  1. 1 原告は,昭和42年4月,愛媛県巡査を拝命して,愛媛県の警察職員となり,平成11年2月から,被告の愛媛県警察本部生活安全部地域課愛媛県警察鉄道警察隊に所属して列車警乗などの職務に従事していたが,平成17年1月20日,警察の裏金作りの実態などを記者会見の場で公にしたことにより,同月 27日,同課通信指令室企画主任を命じられた者である。
  2. 2 被告愛媛県は、警察法38条により県公安委員会を置き、県公安員会は県警察を管理することとされている。

 二 警乗手当の未払い

  1. 1 原告は、平成11年2月に、上記県警察鉄道警察隊に所属して以後、平成17年1月27日まで、列車警乗の職務に従事してきた。
  2. 2 ところが、平成13年4月1日から,上記列車警乗の職務に対して警乗手当が支給されるようになり、原告は、それ以後警乗手当として1回につき金1700円の警乗手当を被告から支給されることになった(甲1,2)。同手当は、警察法37条1項7号の「警衛及び警備に関する経費」に該当するものであり、「長距離にわたる移動警察」の日当として国庫が支弁するものと解される(警察法施行令第2条7号、警察庁旅費取扱規則8条)。
  3. 3 原告は、それまで支給されていなかった警乗手当が何故急に支給されるようになったのか疑問に思っていたところ、大洲警察署の裏金作りについて内部告発のあった平成16年6月1日以降になって、実際は県警察鉄道警察隊に所属するようになった平成11年2月から上記支給が行われるようになるまでの約2年2ケ月の間も,国から被告に対して警乗手当が支弁されていたことが判明した。上記の期間のうち、原告は、少なくとも別紙警乗勤務一覧表記載のとおり8回警乗勤務を行っている。1回につき1700円であるから8回分の警乗手当の額は、合計金13,600円である。

 三 上記警乗手当の未払いは、支給権者である愛媛県警察本部長の故意又は過失によることが明らかである。

 四 よって、原告は被告に対し、主位的には警察庁旅費取扱規則8条に基づき警乗手当として金13,600円の支払を求め、予備的に国家賠償法1条1項に基づき金13,600円の損害賠償を求める。

証 拠 方 法

  • 1 甲1,2(銀行通帳)                    1通
  • 2 甲3~5及び7(愛媛新聞データベース)            各1通
  • 3 甲6(警察庁広報資料)                     1通
  • 4 甲8(陳述書)                        1通

 添 付 書 類

  • 1 甲1~8号証の写                     各1通
  • 2 委任状                           1通

 警乗勤務一覧表

  • 1. 平成11年10月28日(木) 松山〜多度津
  • 2. 同   年12月18日(土) 松山〜多度津
  • 3. 平成12年1月17日(月)  松山〜多度津
  • 4. 同   年2月19日(土)  松山〜多度津
  • 5. 同   年3月17日(金)  松山〜多度津
  • 6. 同   年6月12日(月)  松山〜多度津
  • 7. 同   年9月1日(金)   松山〜多度津
  • 8. 平成13年1月17日(水)  松山〜多度津        

合計8回

以上


 当事者目録

原 告  仙  波  敏  郎

  • 〒790-0001 松山市一番町1丁目14番地10 井手ビル2階瀬戸内法律事務所

原告代理人 弁護士  薦  田  伸  夫

  • 〒790-0801 松山市歩行町1−2−4 安部ビル2階 今川法律事務所 弁護士  今  川  正  章
  • 〒790-0001 松山市一番町3−3−5 正和ビル3階 郄田義之法律事務所 弁護士  郄  田  義  之
  • 〒790-8573 松山市北持田町131−1 愛媛県教育会館内 愛媛法律事務所 弁護士  東     俊  一
  • 〒790-0001 松山市一番町1丁目15番地2 松山一番町ビル5階 山口直樹法律事務所 弁護士  山  口  直 樹
  • 〒790-0001 愛媛県松山市一番町4丁目4番地2 相手方  愛  媛  県 代表者知事  加  戸  守  行

                         以上


証拠保全申立書

2005(平成17)年3月4日

松山地方裁判所 御中

  • 申立人  仙  波  敏  郎
  • 相手方  愛  媛  県

当事者の表示  別紙当事者目録記載のとおり

申立人代理人 弁護士  薦  田  伸  夫 弁護士  今  川  正  章                  (送達場所) 〒790-0801 松山市歩行町1−2−4安部ビル2階 今 川 法 律 事 務 所 (電話)947−5955 (FAX)947−8685

証拠保全のため,下記のとおり検証を求める。              

第1 申立の趣旨

  1. 1. 相手方の愛媛県松山市南堀端町2番地2所在の愛媛県警察本部会計課又は愛媛県松山市石手5丁目7−8所在の愛媛県警察本部第3庁舎(愛媛県警察共済組合道後荘)に臨み,所持する別紙文書目録記載の文書について検証をする。                     
  2. 2. 相手方は,上記検証物を証拠調期日において提示せよ。

との決定を求める。

第2 申立の理由

 1 当事者

  1. (1) 申立人は,昭和42年4月,愛媛県巡査を拝命して,愛媛県の警察職員となり,平成11年2月から,相手方の愛媛県警察本部生活安全部地域課愛媛県警察鉄道警察隊に所属して列車警乗などの職務に従事していたが,平成17年1月20日,警察の裏金作りの実態などを記者会見の場で公にしたことにより,同月 27日,同課通信指令室企画主任を命じられた者である。
  2. (2) 相手方愛媛県は、警察法38条により県公安委員会を置き、県公安員会は県警察を管理することとされている。

 2 警乗手当

  1. (1) 申立人は、平成11年2月に、上記県警察鉄道警察隊に所属して以後、平成17年1月27日まで、列車警乗の職務に従事してきた。
  2. (2) ところが、平成13年4月1日から,上記列車警乗の職務に対して警乗手当が支給されるようになり、申立人は、それ以後警乗手当として1回につき金1700円の警乗手当を相手方から支給されることになった(甲1,2)。同手当は、警察法37条1項7号の「警衛及び警備に関する経費」に該当するものであり、「長距離にわたる移動警察」の日当として国庫が支弁するものと解される(警察法施行令第2条7号、警察庁旅費取扱規則8条)。
  3. (3)  申立人は、それまで支給されていなかった警乗手当が何故突然支給されるようになったのか疑問に思っていたところ、大洲警察署の裏金作りについて内部告発のあった平成16年6月1日以降になって、実際は申立人が県警察鉄道警察隊に所属するようになった平成11年2月から上記支給が行われるようになるまでの約2年2ケ月の間も,国庫から相手方に対して警乗手当が支弁されていたことが判明した。上記の期間のうち、申立人は、少なくとも別紙警乗勤務一覧表記載のとおり8回警乗勤務を行っている。8回分の警乗手当の額は、合計金13,600円である。
  4. (4) 相手方警察本部は、申立人らの警乗勤務に対して国から警乗手当が支弁されているにもかかわらず、あたかも申立人らに支給したかのように虚偽の文書を作成するなどして会計処理を行い、それらを裏金として警察幹部の飲食代などとして使用した疑いが極めて濃厚である。

3 証すべき事実

申立人が相手方に対して請求できる警乗手当

4 証拠保全を必要とする理由

  1. (1) 申立人は上記,支給されるべき警乗手当が支給されていないことが明らかとなったので,相手方に対し,上記約2年2ヶ月間に申立人に対して支給されるべきであった警乗手当の支払請求訴訟を準備中であるが、申立人が、実際にいつ警乗し,いくらの警乗手当を請求することが出来るかについて,相手方保管の別紙文書目録記載の文書によって明らかにする必要がある。
  2. (2) また、警乗手当の支給に関する各文書(旅行命令簿(国費)、給与支給明細表、所属職員別振込金額明細表(個人振込用)などについては保存期間が5年とされており、平成11年度の文書は本年3月 31日をもって廃棄されてしまう可能性が極めて高い。もし廃棄されてしまった場合には,申立人は,その立証資料のかなりの部分を失うこととなり,上述した本訴を提起しても,その目的を遂げることが出来なくなってしまうおそれがある。また,全国的に,警察の裏金作りが問題となっており,その関係もあって,警察が,保存期間内であるにもかかわらず文書を破棄してしまった事例が多数報告されており,実際,相手方もその例外ではなく,2005年3月末まで保存しなければならない交通指導課の会計文書を「紛失した」とされているのである(甲3~6)。さらに、県警本部長は、愛媛県知事や民主党調査団が、関係書類の保存を要請したにもかかわらず、これを保存する旨の確約をしていないことが報じられており、上記各文書が廃棄される可能性は高いもの考えられる。
  3. (3) これに対し,相手方もしくは警察本部が証拠保全によって被る不利益はなく,仮にあるとしても申立人が被る不利益よりも格段に僅少である。

5  以上のとおりであり、すみやかに申立の趣旨記載の決定を求めるものである。

 第3 疎明方法-

  • 1 甲1,2(銀行通帳)                1通
  • 2 甲3~5及び7(愛媛新聞データベース)        各1通
  • 3 甲6(警察庁広報資料)                 1通
  • 4 甲8(陳述書)                    1通
  • 5 甲9及び10(手帳)                各1通
  • 6 甲11(旅行命令簿)                 1通

 第4 添付書類

  • 1 甲1~11号証の写                  各1通
  • 2 委任状                         1通

以上

 警乗勤務一覧表

  • 1. 平成11年10月28日(木) 松山〜多度津
  • 2. 同   年12月18日(土) 松山〜多度津
  • 3. 平成12年1月17日(月)  松山〜多度津
  • 4. 同   年2月19日(土)  松山〜多度津
  • 5. 同   年3月17日(金)  松山〜多度津
  • 6. 同   年6月12日(月)  松山〜多度津
  • 7. 同   年9月1日(金)   松山〜多度津
  • 8. 平成13年1月17日(水)  松山〜多度津

合計8回以上

 文 書 目 録

申立人の平成11年2月以降平成13年3月末日までの愛媛県警察本部生活安全部地域課愛媛県警察鉄道警察隊の列車警乗に関する次の文書

  • 1 愛媛県警察本部地域課鉄道警察隊列車警乗にかかる旅行命令簿
  • 2 警乗手当の収入支出に関する予算執行表,支払原票,給与支給明細表、振込金額明細表などの一切の文書

以上


 当事者目録

  • 申立人  仙  波  敏  郎
  • 〒790-0001 松山市一番町1丁目14番地10 井手ビル2階 瀬戸内法律事務所 申立人代理人 弁護士  薦  田  伸  夫
  • 〒790-0801 松山市歩行町1−2−4 安部ビル2階 今川法律事務所 弁護士  今  川  正  章
  • 〒790-0001 松山市一番町3−3−5 正和ビル3階 高田義之法律事務所 弁護士  郄  田  義  之
  • 〒790-8573 松山市北持田町131−1 愛媛県教育会館内 愛媛法律事務所 弁護士  東     俊  一
  • 〒790-0001 松山市一番町1丁目15番地2 松山一番町ビル5階 山口直樹法律事務所 弁護士  山  口  直 樹
  • 〒790−0001 松山市一番町1−14−4 伊豫ビル3階 水口晃法律事務所 弁護士 水 口   晃
  • 〒790−0873 松山市北持田町131−1 愛媛県教育会館内 愛媛法律事務所 弁護士 中 川 創 太
  • 〒790−0873 松山市北持田町131−1 愛媛県教育会館内 愛媛法律事務所 弁護士 中 尾 英 二
  • 〒790−0001 松山市一番町1−10−8 一番町共同ビル5階 村上勝也法律事務所 弁護士 村 上 勝 也

〒790-0001 愛媛県松山市一番町4丁目4番地2 相手方   愛  媛  県代表者知事   加  戸  守  行  

以上

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